解説寄稿~第2楽章「微笑ム空ノ」
ニ長調 8分の12拍子 アレグロ・アラ・マルチア~ヘ長調 4分の4拍子 リステッソ・テンポ~ニ長調 8分の12拍子 テンポ・プリモ
D-dur 12/8 Allegro alla marcia – F-dur 4/4 L’istesso Tempo – D-dur 8/12 Tempo Primo
軽快に、それでいて流れるような笛の音色に誘われるように、世界が陽の光に照らされていく。
少しずつ少しずつ、いつもと変らない穏やかで、平和な日常が幕を開ける。
起きたばかりの太陽に照らされた街並みには、ちらほらと早起きの人々の姿が見え始め――どこかの童話の世界で語られている様な、そんな穏やかな街並みが脳裏に浮かぶようです。
5曲の中で最もリズミカルな演奏と歌で綴られたこの「微笑ム空ノ」は、終始スタッカートで刻まれるストリングスが、とても印象に残るのではないでしょうか。美しく重ねられるその音色は、まるで澄んだ朝の空気を思わせるような澄んだ音色で、そこに重ねる様に増えていくテューバやコントラバスなどの低音楽器。
それがこのまだ夜明けの生まれたばかりの新しい街並みに力強さを加えているような気がします。そんなオーケストラの壮大な演奏をバックに紡がれる、少女の弾むような歌声。
白いドレスの裾を翻しながら、くるくると踊るように歌う少女…そんな、平和な街で繰り広げられる、いつもと変らない風景。それをオーケストラという舞台で、見事に表現した一曲です。
(寄稿:椎野暁 さま サイト:S・A・G)