解説寄稿~第3楽章「鬨ノ唄声(トキノウタゴエ)」
イ長調 4分の4拍子 ポコ・アンダンテ~ピウ・モッソ~テンポ・プリモ~ピウ・モッソ~テンポ・プリモ~ピウ・モッソ~ポコ・アンダンテ~ポコ・アダージョ
A-dur 4/4 Poco Andante - Piu mosso - Tempo Primo - Piu mosso - Tempo Primo - Piu mosso - Poco Andante - Poco Adagio
この4曲目で楽曲の雰囲気は少し変わります。
今までの明るく跳ねる様だった印象の楽曲から一転、物静かな、どこか物悲しげささえ漂わせるイントロ。
そのストリングスの緩やかなアルペジオに誘われて、静かに囁くように紡がれる歌声。物憂げな雰囲気を漂わせるメロディは、これから始まる何かを予感させるかのような、不安と期待の入り混じったような、そんな空気を漂わせているかのように思います。そんな静かなメロディは、時折弾むような軽快なテンポへと転進。
11分を超えるという、5曲の中で最も長い演奏時間のこの楽曲は、途中から入るトランペット(?)のソロパートや、木管楽器が中心となって綴る柔らかなメロディパート、ガラリと雰囲気を変え盛大に繰り広げられる後半部分など、聞き手を飽きさせないアレンジが魅力の1曲です。華やかな展開の後に再び訪れる緩やかな時間。
物語の一部であるこの1曲の中に収められた、また一つの物語。
幾つもの物語からなるひとつの物語――そんな言葉が浮かぶ一曲です。
(寄稿:椎野暁 さま サイト:S・A・G)